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2009年 07月 30日
この記事が、レッドソックスと松坂大輔氏の間で大きな問題を引き起こしているのだそう。
松坂大輔「米国のタブー」への挑戦(1/4) http://allatanys.jp/B001/UGC020005920090726COK00348.html レッドソックス側にとっての一番の問題は、彼らの「ダイスケ」が機密情報を外部に漏洩したということなのだろう。アメリカ人は非を認めて素直に謝ればたいていは許してくれる人たちであるから、罰金などを課される可能性は高いものの、対応次第で事態はうまく治まるかもしれない。 しかし、この記事が云わんとしているのは、日米の調整法の違いを力説する松坂氏の苦悩。ボディビルダーの友人も、「アメリカの黒人や白人と比べて、日本人は筋肉の質や付き方が違うので、それに合った調整法や"見せ方"が必要なんです」と言っていた。これは恐らく、外国人の私たちでなければ分からないようなことではなく、アメリカ人だって気付いているのだ。それは火を見るより明らかなのだから。彼らは肉体の差異を引き合いに出すことで、人種差別にまつわる面倒にかかわりたくないだけなのだ。ひとりの日本人投手のためだけに、あえてそのような危険を冒そうとする者は極めて少ないだろう。 上記の記事には、運動生理学者の言葉を引用し、「人種によって運動機能が違う」ということを主張する学術論文は発表されていないとも書かれている。ブルーノ・ラトゥールの科学論や科学社会学が示唆するように、われわれがもっともフェアで、もっとも単純明快な世界であると信じている科学の分野でさえ、すべてはヒトとモノのネットワークが生み出す相互関係によって構築されているである。ぶっちゃけて言えば、多分にポリティカルなのである。科学に対する前時代的な迷信は捨て去るとともに、「社会」という本来人為的な概念を見直してみる必要がある。 「理論には理論で」と反駁を目論む松坂氏を応援したい。
by gocito
| 2009-07-30 23:22
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